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◎  さかのぼり 

東京公演千秋楽が終わったとき

僕がやることは
お客さんにありがとうを言いに行くことであり
グッズを宣伝することであり
そして
劇場を元に戻す事でした。

とにかく時間がないので
総員でものすごい勢いで
劇場をかたしました。

プロフェッショナルな仕事を全員がしたのでしょう!
驚異的なスピードで
あの舞台、あの衣装たち、あの道具たち
あのロビーたちが片付けられ
役者たちは戦国の人間から普通の格好に戻った。

「とにかく早く出る」

これがこの時の使命であり
みんな決行した。

僕は劇団員なので、なんとなく最後の方に出ようと思っている。

そんな時に思い出されたのが
とあるスタッフさんが言っていたこと。

その方は
向こう側が少し見えるらしくて

高知公演の折には、元親様は舞台上の一番奥、一番高いところにずっといて
東京公演では、劇場客席の一番奥におすわりになっていた
と言っていた。

それはなんでだろうとずっと考えていた。
高知公演は手伝ってくれて、東京公演は見たくなったのか?
土佐の民に近い人間の方をいつも見ていらっしゃるのか?


全部が片付いたあとも
なんとなくまだそこに居られる気がして
僕は、すっからかんで暗がりと化した舞台上へと行く。

僕は向こう側が全く見えない。

だけど、すぅーと引力は感じた。

それが元親様が起こしたものか
僕自身が起こしたものか
それはわからない。


でも、なんか居られた気がしたな。

自分の夢を代わりに語ってくれる連中がいたんだ
いつまでもいたいだろうよ。


では、またね。

とご挨拶。



そして僕は俳優なので、元親様にだけとも思わない。


この公演を最後まで共にしてくれた劇場に

またね。


と言って、外へ出た。




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