こわいはなし
こんにちは!千田です。
夏真っ盛りですね!
夏大好きなもので、おかげで元気よくやっています。
セミもみんみんみんみん、元気ですね!!
10月に予定していた公演『葡萄酒いろのミストラル』
延期としました。
楽しみにしていてくれた方々に対してはとても心苦しいですが、
不安をかかえたままで、
それは僕らもそしてお客さんも、
この公演をやるべきではないという、シアターキューブリック劇団員で話し合い、
みなこの考えには頷き、決定いたしました。
しかも昨年につづき2度めの延期ですね。
もう、ふつふつとしております。
それはネガティブなものではないですよ。
火山がマグマを湛えるがごとく、気力も能力もぐつぐつと溜めていきます。
(体力の方は、うまいことやります)
なので、ぜひ、お楽しみに!
必要な人材だけをぎゅうぎゅうに詰め込んで座組をつくりました。
皆、ぐつぐつしていると思われます。
信頼できるメンバーと、安心して存分に演劇を堪能できるタイミングを願って、
またひとつづつやれることを積み上げて参ります。
延期後の『葡萄酒いろのミストラル』はきっと、ものすごくオモシロイですよ!
心に笑顔をまんまんに湛えて、お越しくださいませ!!!

さて、夏ということでひとつ、「こわいはなし」を。
といっても疲れたという意味の方言「こわい」でした!
というはなしではなく、
よくよく聞いていたら、小岩井牧場のはなしだということもなく、
滑舌わるい俳優がこわい!こわい!と連呼しているとおもったらKY!KY!だったとかでもなく、
「こわいはなし」
お伝えしたいと思います。熱い暑い夏を少しでも冷やりと。
大学時代、僕は演劇サークルに所属していました。
夏は合宿と称して、毎年みんなで数日間の旅行に行きました。
都会の学校ではなかったこともあり、車持ちも多く、
移動は電車組、車組に別れて行きました。
昼はキャンプをし、夜は花火。そして最後の夜はチームに別れて自作の演劇を披露したりと
あんがい合宿らしい日々を送っておりました。
あっつい夏の陽気。
うかれ、はしゃぎ、語りあいました。
そして必ず行っていたプチイベントがありました。
肝試し
です。
何かしらの形で必ず肝試しをやるのです。
とある山へ合宿へ行った年、仲良し男4人組で夜の肝試しドライブとしゃれ込みました。
暗い山の道。
楽しくおしゃべりしながら進みました。
街をはなれ山の方へと進んでいきました。
恋バナや食べたいラーメンの話などの他愛もない時間。
しばらく気づかなかったのですが、
夏の観光シーズンだというのに、山にはいってから、車一台通り過ぎないのです。
短いトンネルをくぐりました。
道を進みました。
またトンネルをくぐりました。
道を進みました。
風景も道幅もあまり変わらぬ道路。
しばらく進みました。
みんなの口数が少なくなって来た頃、またトンネルが近づいてきました。
そのすぐ横に何かあるのに気づき、少しスピードを落としました。
それは、
お地蔵さんでした。
しかもよく見ると、首がありません。
四人でしばし目を合わせ合い、トンネルをくぐっていきます。
車は一台も通りかかりません。
「肝試ししようぜ」
誰かが言いました。
賛成するもの多く、しぶしぶ反対のものもOKしました。
トンネルをくぐった向こうが少し広くなっていたので、
Uターンしました。
時間も時間だし、これやったらもう宿に帰ろうという話でした。
静かで暗い山の中、車一台。
ゆっくりと、いま通り過ぎたトンネルをまた進んでいきます。
トンネルを半分ほど行ったところで車を停めました。
「じゃんけんで負けたやつが車を降りて、お地蔵さんを触って来ようぜ」
負けたのはこの中で一番臆病なやつでした。
嫌がる男をみんなでなだめ、「もう少し車で近づく」ことを条件でOKさせました。
彼は車をおり、バタンと扉を閉めました。
車からゆっくりと遠ざかる彼。トンネルの端へ進んでいきます。
もう少しでトンネルを抜けそうなときに
「なぁ、バックしようぜ」
誰かが言いました。
ゆっくりとバックして、彼から遠ざかりました。
彼はまったく気づきません。
トンネルを抜けました。
お地蔵さんをそっと触りました。
少しホッとしながらこちらを向き、ずっと遠くにある車に驚きました。
「おい!」
彼が大声をだし、早足でこちらへ来ようとした瞬間
「うわ!うわぁあああああ!うわぁああ!!!!」
何かから逃げるように猛烈にダッシュしてくる彼。
僕らはゲラゲラ笑い転げながら、さらにバックしました。
「そうじゃねぇ!待て!!!待てって!!!!」
顔を真赤にしながら金切り声をあげてダッシュしてきます。
僕らは車を停め、彼を迎え入れました。
「ふざけんな!!出せ!出せ!」
何かに怯えたような声をあげる彼。
「な、、」
「え?」
「何かが追いかけてきた!!」
「え!?」
トンネルはゆるめの明かりが照らすだけで、そこには何もいませんでした。
「出せ!!いいから出せ!!早く」
彼の勢いに巻かれ、車を発進しました。
そしてゆっくりとトンネルを進んでいきました。
何もいません。
「急げって!!はやく!」
彼の顔は真っ赤なまま、すごい剣幕でまくし立てます。
僕らは臆病者をせせら笑いながら、
ゆっくりとトンネルを抜けていきます。
そして、
お地蔵さまを横切った瞬間、、
ワンワワワワワワン!!!!ワワン!!ワン!ワン!!!!!!!ワン!ワン!!!!!
黒い何者かが車の窓へ突進して吠えまくった!
急アクセルを踏み、山の道路をハイスピードで進んでいきました。
吠え続ける山犬のようなものは、だんだん遠ざかっていきました。
夏真っ盛りですね!
夏大好きなもので、おかげで元気よくやっています。
セミもみんみんみんみん、元気ですね!!
10月に予定していた公演『葡萄酒いろのミストラル』
延期としました。
楽しみにしていてくれた方々に対してはとても心苦しいですが、
不安をかかえたままで、
それは僕らもそしてお客さんも、
この公演をやるべきではないという、シアターキューブリック劇団員で話し合い、
みなこの考えには頷き、決定いたしました。
しかも昨年につづき2度めの延期ですね。
もう、ふつふつとしております。
それはネガティブなものではないですよ。
火山がマグマを湛えるがごとく、気力も能力もぐつぐつと溜めていきます。
(体力の方は、うまいことやります)
なので、ぜひ、お楽しみに!
必要な人材だけをぎゅうぎゅうに詰め込んで座組をつくりました。
皆、ぐつぐつしていると思われます。
信頼できるメンバーと、安心して存分に演劇を堪能できるタイミングを願って、
またひとつづつやれることを積み上げて参ります。
延期後の『葡萄酒いろのミストラル』はきっと、ものすごくオモシロイですよ!
心に笑顔をまんまんに湛えて、お越しくださいませ!!!

さて、夏ということでひとつ、「こわいはなし」を。
といっても疲れたという意味の方言「こわい」でした!
というはなしではなく、
よくよく聞いていたら、小岩井牧場のはなしだということもなく、
滑舌わるい俳優がこわい!こわい!と連呼しているとおもったらKY!KY!だったとかでもなく、
「こわいはなし」
お伝えしたいと思います。熱い暑い夏を少しでも冷やりと。
大学時代、僕は演劇サークルに所属していました。
夏は合宿と称して、毎年みんなで数日間の旅行に行きました。
都会の学校ではなかったこともあり、車持ちも多く、
移動は電車組、車組に別れて行きました。
昼はキャンプをし、夜は花火。そして最後の夜はチームに別れて自作の演劇を披露したりと
あんがい合宿らしい日々を送っておりました。
あっつい夏の陽気。
うかれ、はしゃぎ、語りあいました。
そして必ず行っていたプチイベントがありました。
肝試し
です。
何かしらの形で必ず肝試しをやるのです。
とある山へ合宿へ行った年、仲良し男4人組で夜の肝試しドライブとしゃれ込みました。
暗い山の道。
楽しくおしゃべりしながら進みました。
街をはなれ山の方へと進んでいきました。
恋バナや食べたいラーメンの話などの他愛もない時間。
しばらく気づかなかったのですが、
夏の観光シーズンだというのに、山にはいってから、車一台通り過ぎないのです。
短いトンネルをくぐりました。
道を進みました。
またトンネルをくぐりました。
道を進みました。
風景も道幅もあまり変わらぬ道路。
しばらく進みました。
みんなの口数が少なくなって来た頃、またトンネルが近づいてきました。
そのすぐ横に何かあるのに気づき、少しスピードを落としました。
それは、
お地蔵さんでした。
しかもよく見ると、首がありません。
四人でしばし目を合わせ合い、トンネルをくぐっていきます。
車は一台も通りかかりません。
「肝試ししようぜ」
誰かが言いました。
賛成するもの多く、しぶしぶ反対のものもOKしました。
トンネルをくぐった向こうが少し広くなっていたので、
Uターンしました。
時間も時間だし、これやったらもう宿に帰ろうという話でした。
静かで暗い山の中、車一台。
ゆっくりと、いま通り過ぎたトンネルをまた進んでいきます。
トンネルを半分ほど行ったところで車を停めました。
「じゃんけんで負けたやつが車を降りて、お地蔵さんを触って来ようぜ」
負けたのはこの中で一番臆病なやつでした。
嫌がる男をみんなでなだめ、「もう少し車で近づく」ことを条件でOKさせました。
彼は車をおり、バタンと扉を閉めました。
車からゆっくりと遠ざかる彼。トンネルの端へ進んでいきます。
もう少しでトンネルを抜けそうなときに
「なぁ、バックしようぜ」
誰かが言いました。
ゆっくりとバックして、彼から遠ざかりました。
彼はまったく気づきません。
トンネルを抜けました。
お地蔵さんをそっと触りました。
少しホッとしながらこちらを向き、ずっと遠くにある車に驚きました。
「おい!」
彼が大声をだし、早足でこちらへ来ようとした瞬間
「うわ!うわぁあああああ!うわぁああ!!!!」
何かから逃げるように猛烈にダッシュしてくる彼。
僕らはゲラゲラ笑い転げながら、さらにバックしました。
「そうじゃねぇ!待て!!!待てって!!!!」
顔を真赤にしながら金切り声をあげてダッシュしてきます。
僕らは車を停め、彼を迎え入れました。
「ふざけんな!!出せ!出せ!」
何かに怯えたような声をあげる彼。
「な、、」
「え?」
「何かが追いかけてきた!!」
「え!?」
トンネルはゆるめの明かりが照らすだけで、そこには何もいませんでした。
「出せ!!いいから出せ!!早く」
彼の勢いに巻かれ、車を発進しました。
そしてゆっくりとトンネルを進んでいきました。
何もいません。
「急げって!!はやく!」
彼の顔は真っ赤なまま、すごい剣幕でまくし立てます。
僕らは臆病者をせせら笑いながら、
ゆっくりとトンネルを抜けていきます。
そして、
お地蔵さまを横切った瞬間、、
ワンワワワワワワン!!!!ワワン!!ワン!ワン!!!!!!!ワン!ワン!!!!!
黒い何者かが車の窓へ突進して吠えまくった!
急アクセルを踏み、山の道路をハイスピードで進んでいきました。
吠え続ける山犬のようなものは、だんだん遠ざかっていきました。