わたしの魔法

子供の頃から中学生まで
ぼくは年中、夏服で通した。

冬でも半袖短パン
上着は羽織らない。

みんなが寒い寒い言ってる間、
「大丈夫~」
と言っていた。
いや、いい聞かせていた。

ホントは寒かった。

まわりは僕を
魔法でもかかってるかのような目を向けていたが、
魔法じゃない。
我慢だよ。

魔力ではなく体力が削られてった。

でも、風邪はひかなかった。
皆勤賞ももらった。


それからいつの間にか
魔法が解けたかのように
寒いの大嫌いになった。
薄着なんてもっての他。
夏以外は基本、重ね着してた。
「十二単だ」
とひとは言った。

風邪をひきたくなかったから
暑い状況をいつも作った。

その頃できた魔法は
風邪の匂いを嗅ぎ取ること。

風邪のウイルス的なものが匂いでわかった。
ツーンと来たら、誰かが咳をしていたり
元気のない人が歩いていたりする。
そうしたらフン!と吐き出したので
滅多に風邪をひかなかった。

ひくわくがないと思っていた。


また年をくい、近年
よく風邪をひく。
いよいよ魔力も体力も一般人なみ。
これが風邪をひくということかと思い知る。

もう風邪よけの魔法なんかひとつも唱えられない。

ただのヒトだ。


だけど棚からボタもちなのか、もともとなのか、
厚着にヘッチャラだった僕は、
今度は暑さが何でもない。
熱帯夜でも気持ち良く熟睡できる。

属性が換わったのか?

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