エノシマ

エノシマの風は少しゆっくりと流れている。


僕が始めて藤沢・湘南・江ノ島におりたった時には
僕自身、いそがしく動き、滞在時間もあっという間だったから
あまりそうは感じなかったが、

2度目に「じゃあゆっくりしてこよう」と
再び訪れたときは
それを強くかんじた。


エノデンにのり、とことこ移動する。
この電車もゆったりしている気がする。


湘南は老若男女とわず、いろいろな人があつまる場所だ。
あらゆる所から人がやって来て、海と戯れる。

不思議だなぁと思うのは
人種のるつぼ的な千差万別ごちゃまぜなムードはあまりない。
どちらかというと、みな同じ空気をたずさえて
ここへやってきている気がする。


だから風はにごらない。



たぶん。
たぶんだけど、似た人があつまってるという事ではなく
ここへ来ると人は
同じモノを見
同じコトを感じ
同じ時間の中に居るという
同じ家族のような気持ちになるのだと思う。
そうさせる何かがあるんだろうね。

だって、ほっとするもの。



それから何年もたち、
当時、エノデンが舞台のお芝居を共にやった子が
「江ノ島へぶらりと行ってくる!」という。
うらやましい限りだが、僕は今は行けない。

だからいろいろ迷って
その子に「写真をメールしてください」と頼んだ。

こころよくOKしてくれて
僕ははしゃぎ、その日も過ぎた。

簡単なコメント付きで、2枚ほど写真を送ってくれた。
それは公表しませんが
いい写真です。
どうもありがとう。なんだか少し、僕は回帰できたよ。



エノシマは僕にとって、思い出の置き場の一つなのだ。
芝居作りで悩んで、人間関係をいろいろ心配し、自分というものを異物におもっていた。
だけど仲間がいて、僕は生きていて、エノシマにはゆっくりと風のにおいがある。
深く深呼吸して、のろのろ歩いて、ぶらぶら眺める。
路地に猫と座るおばあちゃん。
ソフトクリーム。
紫陽花の坂、向こうにひろがる海岸線。
湘南の海のクラゲ。
エノデンの場内アナウンス。
エノデンと徒歩ですれ違うカーブ。
駅のホームと隣の路地。
ミステリーゾーン。
入れなかった大仏。
大仏サブレー。
江ノ島へと渡る橋。
江ノ島に飛来するカモメ。
猫、猫、猫。
神社の上の白い龍。
夕日。
人。



帰りたいけど、まだ帰れない。
そんな実家のような、特別な場所になってしまったような気がする。



写真どうもありがとう。

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ばんわん

江ノ島かぁ・・・

シラスご飯がうまい!

ほとんど滞在していないので
食べ物の記憶はあまりないなぁ
スローフードをうたっているパスタ屋さんと
あとアイスくらい。

観光地という点で、物珍しいものはあまりなかった気が。

でも、あるんだろうな。

シラスご飯って特産ブツですか??
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千田剛士

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『誰ガタメノ剣』
2010年 紀伊國屋サザンシアター


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2009年 シアターサンモール


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2008年 銚子電鉄車内
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