『飛龍伝』という作品

先日、ドラマ「若者たち」の中で
劇中劇として『飛龍伝』という作品が使われていて
いてもたってもいられなかった。

『飛龍伝』は故・つかこうへいさんの代表作のひとつで
日米安保条約で大騒動が起きていた学生闘争の時代、
機動隊と学生たちの間で愛と作戦の間で生きる一人の女生徒を描いた物語。
主人公の神林美智子の他は、何十人という汗臭い男たちの群れというすさまじい配役布陣。
今だ多くの劇団さんたちがこぞって上演する人気作だ。

僕が出会ったのが、大学にあがって演劇をはじめた時。
その時の演劇サークルが5月公演『飛龍伝』の稽古真っ盛りであり、
入会早々、稽古場に見学に行った。
そこはもう!汗と熱と怒号の現場!
ものすごいエネルギーにただただ圧倒されていた。
ちょうど、クライマックス直前の濃厚なシーンを練習していて
そのテンションは半端なかった。
それが、もう本番10日前だというのにまだキャストが不足しているらしい。
その時、一緒に見学に来ていた数人と共に、二つ返事で参加を決めた。
アドレナリン。
見ているだけで迸っていた。
稽古参加を前にして、先日行った通し稽古の反省会が始まった。
演出の先輩が、4年生の先輩に「どうか?」と聞いた。
「…うん。見せモノになっていない」
真剣。
なんと楽しい世界だろうと衝撃を受けた。
入会初日からもの凄く濃い時間を過ごした。
先輩の上下も全く把握できない状況だったが、
皆、熱く演劇へ立ち向かい、キラキラしていた。
そして、普段は和気あいあいと柔らかかった。

その後の10日間がまた濃い時間だったのだが
遂に本番はやってきて、
サークル史上でも屈指の作品になったといっても過言はない。
その時参加していたメンバーの中で
『飛龍伝』という作品は強く記憶に刻まれている。
皆、『飛龍伝』が大好きだった。
その名を聞くと、いつだってあの時を思い出せる。
そんな麻薬のような作品。

あれから20年くらい経った。

つかこうへいさんはじめ、
多くの劇団さんが『飛龍伝』を上演したが
今でも僕の中のベストキャスティングは当時のサークルメンバーである。
ヒロイン・神林美智子
第四機動隊隊長・山崎一平
全共闘作戦参謀・桂木順一郎
などなど………
うわぁ
今でも勝手に汗腺が開くなぁ。

僕にとっての初心は『飛龍伝』だし、これからも抱き続ける目標でもあります。



プロフィール

千田剛士

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