僕は実家住まい。
みんなが故郷自慢している帰省シーズン後は
会話に入れず、
たいていぼやぼやしています。
だけど
何と言うか、「僕」を形成したところというのはあって、
以前書いた、幼少期の
たんぼと半袖とザリガニの風景とはまた違い、
たった二年ちょっとだけだったけど
確かに心動かし、成長をした場所があります。
僕は子供の頃、二回引越しをしています。
幼少期を過ごした場所と
今、住んでいる場所、
その合間にバチカン市国位はありそうな、大きな団地に住んでいました。
おもちゃ屋もスーパーも保育園も文房具も内在している、なんでもあるところでした。
僕は六号棟の2階に住んでいて、親友は10階に住んでいました。
僕らのアジトは六号棟裏のゴミ捨て場、広場手前の唯一登れる木の上、公園内の低い緑地を分け入った中など各所に点在し、しかし、アシがつかぬよう、アジトへは何も持ち込みませんでした。
その上、団地は僕らの庭でした。
ある日は、団地全部をつかい、隠れんぼをし、広すぎて誰ひとり見付からず日は暮れ帰り、次の日学校で「見〜付けた」と言われ、
ある日は、おこずかいを貯めてようやく買ったゴム動力飛行機が初フライトで紛失し、
ある夏は、天気がいいのに、友人宅へみんな集まり、黙々と一体のガンダムを組み上げ、悶々とするな!と友人母に怒られ、
ある夜はクルクル回る花火を逆さにして点火したら、ふわっと浮上し、向かってくるので逃げ、
ついでにロケット花火対戦中のの一本が誰かの部屋のベランダに飛び込み、パン!と言い、ダッシュで逃げ、
ある年はファミコンが発売され、
ある昼はぐうたら、アジトで日がな昼寝をし
ある日は…
ある時、アジトに運ばれたモノがある。
僕らは白いノライヌを拾い、飼った。
ビニール紐でくくり、ときどき餌を与え、遊んだ。
名前は「シロ」。
ある日上級生とシロを取り合い、喧嘩した。
僕らは弱かったけど、諦めなかったから勝った。
抱き合い、泣いた。
シロは僕らのものだった。
ある午後、
シロはいなくなった。
子供たちの無知に見兼ねて、
親たちがシロを保護したのだ。
最初はわからなかったけど、
僕らは、むやみに紐でくくり、思いついた時に、てきとーな餌をあげていた。
それがシロにとって、よい事ではない事をとくとくと説明され、子供なりに理解した。
シロは関西へ旅立ったらしい。
そんなこんながあり、
ある日、僕は引越した。
親友とも別れ
僕らの城とも別れ
出会いと別れとイベントが沢山あった2年だった。
ここが僕にとってはふるさとと言える。